■4月20日 走行距離 170km

日本一周初日

待ちに待った日本一周。期待も不安も多々ある。千葉県外に原付で旅することは初めてなので、道に対する不安が非常にある。とりあえず通ったことのある道は平気だろう。今日の道は思った以上にわかり易く、恐れていたほどでもなかった。

13時頃には横須賀学園(高校)の公園に到着。 船が見学できるようになっていたが、500円かかるので早速パス・・・節約しなくては・・・15時頃には観音崎公園に。 灯台から見た海や千葉県、海ほたるなど意外と感動するものである。

そこで30分ほど仮眠をとり、城ヶ島へ。途中に大きな風力発電の風車を見つける。遠くから見ていれば画になるが、真下の公園にいってみると整備もあまりされていなくて、音もうるさい。今日はここで寝ようかと思うがうるさすぎてパス。

テントを張れるところを探すが、見つからない。人に聞いても「50mも急斜面を下った砂浜に張れ」だの、初日から無理目な事を・・・

引き続き捜索・・・大楠海岸も無理。湘南国際村も寝るところなし。長者ヶ崎も夜間閉鎖。結局行き着く先は、学生時代に部活で頻繁に利用していた森戸海岸・・・18時30分到着になってしまい、いそいそと食事をとる。

なんとなく何処ででもテント張れる気がしてきた。初日ということもあって睡眠時間は2時間のみ・・・夜に雨が降りテントの外においていた装備が湿っていた。初日なのに・・・

■4月21日 走行距離 186km

やったぞ。箱根峠越え!!

やはり2時間くらいしか寝ていないこともあって、疲労がかなりある。結局6時過ぎに森戸海岸を出発。一路小田原方面へ。

いつもお正月に見る箱根峠の町並みだが生で見るとあまりぱっとしないことに気づく。箱根峠までの道のりは1速2速の多用で寝不足もあって心もエンジンもオーバーヒート気味・・・エヘ
そんなことはさておいて、途中の大涌谷では濃霧のため何も見えず。悩んだ末に6個500円の黒玉子を食す。

峠にて日比さんに会う。彼は箱根峠は2度目で、今回は自転車での日本一周らしい。この峠を自転車で越えるとは・・・頭が下がります。他にもママチャリでギターをくくりつけ上ってくるチャリダーも発見。

まったり話を終えて先へ進むことにする。芦ノ湖あたりで休憩しつつ、その先の下りでは坂が急すぎるために2速のエンブレでも効かず、かなりひやひやしたものだ。

そんなこんなで熱海に着くと、昔の新婚旅行のメッカであっただけになかなか楽しめる街並み。だが、その先からは左側には断崖絶壁が続き、左端をとろとろ進むカブにとっては道も狭いしかなり気を使う道だ。

温泉はいたるところにあったが、高そうなのでいろいろと探しハウス白浜にて500円で入浴。今日の寝場所は下田近郊外浦海岸。(ここは6月1日から9月30日まではテント禁止)ここは穴場っぽくかなりいい寝床です。

■4月22日 走行距離 174km

伊豆半島よ、さらば

外浦海岸でのテント泊はぐっすり眠れ、体力回復。一路北上する。途中で200円の甘夏getしてみたりしつつ、土肥町にある大薮区共同湯(200円)にてまったり。そこで同じカブで旅している矢野さんに遭遇。

話をしてみると東京江戸川区在住。今回は沖縄まで行くそうだ。同じカブということもあり一緒にゆっくりと景色のきれいなところを見て回る。

国道414号にのり国道1号に合流。ひたすら西へ向かう。さくさくと寝る場所を探し、今日は富士川緑地公園に矢野さんとテント泊。

西伊豆は眺めが良い。東伊豆は街並みが良いというところであろうか。御浜崎は良かった。

■4月23日 走行距離 116km

登呂遺跡で縄文人になる!!

富士川緑地公園で矢野さんと別れる。ひたすら走り、三保の松原へ。

今日は雲が多く、富士山は全く見ることが出来なかった。もし見ることが出来れば、写真でもとっておきたい場所である。が、単なる松林といってしまえば・・・雲が多いせいもあり、展望が期待できないと思ったので日本平はパスすることに。

登呂遺跡へ到着する頃には雨が強く降り出した。この遺跡は跡だけかと思っていたら博物館もあり、中では縄文時代の衣を模した服を羽織ったボランティアの人たちが、いろいろと実演して修学旅行の小学生に見せ、体験させていた。

なぜかこの姿に非常に感動し、話し込んでしまった。いろいろと体験もさせてもらった。子供の頃の懐かしさを感じ、実家のそばにある加曾利貝塚でも同じような事をすれば子供たちにもっとインパクトを与えられただろうとしみじみ感じた。

土砂降りの雨の中、御前崎方面へ。途中の道は泣きたくなるほど風雨が強く、トンネルなどでは前後が見えなくなりめちゃくちゃ怖かったズラ。嵐のような御前崎海岸を見て今日はテント泊は無理だと感じ、近くにあったユースホステルで泊まることに決めた。思っていたよりフレンドリーな感じである。

しかし、雨の中カッパにヘルメットかぶって遺跡をうろうろしていたのは異様だったのでは・・・と気づく。ユースホステルも初めてだったので、国民宿舎のことだとおもい、一生懸命探していました・・・

■4月24日 走行距離 161km

愛知県の顎は美しい

御前崎YHを出発する時から雨。しかもかなり強い。ただひたすら西へ向かう。

浜名湖の手前の中田島砂丘(日本3大砂丘)へ寄ってみる。思ったより海岸までの奥行きはあったが、幅が見渡せずそれなりの感動で終わってしまった。

浜名湖へつく頃にはさらに雨が強くなり、景色は全く望めない。定番のうなぎを食べようと漁協へ行って聞いてみるが、あまり教えてくれないのか、ドライブインを紹介された・・・さすがにおいしくなさそうだったので、街中うろうろしつつ、地元の人においしいところを紹介してもらい、ニコニコ顔でおいしくうなぎをいただきました。

さらに西へ進み、いよいよ愛知県に突入。が、地図が関東のものしかないのでひたすら国道1号で。たまたま目に付いた国道42号に乗り換えて見ると、岬の名前が表示されていたので行き当たりばったりで突き進む。

途中観光バスの休憩所みたいなところで休んでいると所沢ナンバーの観光バスと遭遇。運転手の方にこの先の地図を見せてもらった。彼らは岬からフェリーに乗り対岸へ渡ってしまうそうだ。私の旅を異常に驚いていた。別れ際に缶コーヒーをもらう。

この先の道を知ることが出来たのは、非常に助かった。名刺貰って置けば良かったな・・・道も知ったことだし、このまま伊良湖岬へとのんびりすすむ。日出の門石から恋路ヶ浜の景色は美しい。

岬に到着するとカブの矢野さんに再会。昨日は浜名湖周辺の空手道場に泊めてもらったそうだ。しばし歓談の後、別れ私はフェリーには乗らずに行くことにする。途中本屋によって地図を探すが、ほしいものが無かったので買わずに道を進めることに。

今日は姫島漁港にてゲリラ的テント泊。しばらくすると夜釣りのため30台ほどの車がやってきた。メバルが釣れるそうだ。明日も地図無しで愛知県を乗り切ってやるぞ!

■4月25日 走行距離 196km

23号は恐るべし!!

昨日は風が強くとてつもなく寒かった。後ろから風が入るので、入り口を風上に向けるようにしよう。今朝は日が出て、十二分にテントを干すことができ、きっと寝袋もあったかいことだろう。

8時近くに漁港を出発。豊橋方面へ。日曜日だけあって混雑が予想されたので街中を通らずに迂回。しかし、休日だけあって尾張小牧ナンバーがうようよ沸いて出てきた。今日は然したる風景のいいところもなく、ただ車に揉まれて移動したに過ぎなかった。

ひたすら西へ。途中で国道23号を走ることとなり、高速道路といっても過言ではないくらい車がスピードを上げており、首都高をカブで走っているようなものに感じた。あまりの恐怖に途中で道をそれて、環状線で北上してみる。

途中の名古屋市港区新茶屋川公園にてテント泊とする。日がまだ高かったので畑のおばちゃんと話してみたりする。

■4月26日 走行距離 215km

走る走る走る!!

朝、昨日はなした畑のおばちゃんにお茶とお菓子を貰う。

三重県に突入。三重県はやたらとパトカー白バイが多く、走っていて嫌になってきた。そんな中構わずほぼ60km/hで突っ走る。途中鈴鹿サーキットによるが、公園の中にあり入場料1600円なので、しぶしぶパス。そのまま伊勢神宮へ。

着いてみると、内宮外宮2ヶ所あり警備員らしき人にいろいろ聞いてみると、”神宮”という宗教みたいなものらしいことが判明。本宮には鏡が祭られてあって、それが”三種の神器”であるらしい。天皇がよく伊勢神宮にお参りするが天皇も宗教に入っているのだろうか・・・五十鈴川(内宮)は澄みきっていて水と木々の青緑が良くあっていた。

その後、今回初めての湧き水(恵利原の水穴)を飲みにいく。おいしいのだろうが実際に飲んでみると、あまり冷たくなくめちゃうまいとは感じなかったが、ポリバケツに汲んでいる人もいた。

志摩近郊の岬を巡りいざ寝床を確保しようとするが、どこも利用料1000円であり、高すぎてはらう気がしない。近所に浜もなく結局厳島中部の公園広場でシュラフ泊。施設の人にも話してはおいたが、警備員の見回りがあるらしい。20時着は遅すぎる。もっと計画的に。

■4月27日 走行距離 181km

峠 峠 峠であった

朝、シュラフ泊ということもあり遅霜がおりて、シュラフちょい濡れ。通勤ラッシュと重なりのんびりしている暇もなくさっさと移動する。

風景を楽しめる場所に出たのは阿曽浦付近である。海沿いに山が多く、トンネルより峠越えが多かったので、今日は非常に疲れた。

阿曽浦で千葉を良く知る人と出会い、缶コーヒーをおごってもらう。この旅のことを話したら、目を丸くして驚いていた。国道260号沿いはとても景色のいいところが多く、ツーリングには最適の場所だろう。

昼過ぎにニラハマ展望台でシュラフその他干す。そしてまだまだ峠が続いていて目が回ってくる。ようやく国道42号へ出て平坦な道かと思いきや、永遠と続く熊野街道・・・今日は峠がメインの181kmを走行。心も体もぐったりの1日であった。

熊野市内では良い公園が見つからず、高校生も多かったためあまり考えずにYH泊。体力回復を狙う。5ヶ所湾はすばらしい緑色の海だった。

■4月28日 走行距離 88km

キャンピングカーでGO!GO!GO!

朝からガス補給1.4Lで160円!ぼったくられた・・・今日は温泉めぐりということで国道311号で山に向かう。途中直売所で美浜の甘夏を買う。千枚田・布引の滝を見つつメインどころの温泉へ。

まずは湯の口温泉。ここでは300円で入ることができるが、飲んでみるとおいしいというものではなく、むしろまずい冷泉であった。

続いて川湯温泉。ここでは川原の野天風呂に100円で入るのだが、とても熱くてすぐに上がってしまった。後で気づいたが、川の水を電気モーターで入れることができるらしい・・・失敗だった。

そして湯の峰温泉。ここでは有名なつぼ湯がある。早速入り扉を全開にしてみるがめんどくさいだけだった。つぼ湯には入れただけで満足である。

風呂から出てうろうろしていたら下平君と清水さんカップルに会う。カップルのようでカップルではないらしい・・・

この2人トラックの上に自家製の家をのせてキャンピングカーとして乗っている。松本ナンバーで長野から一週間ぐらいの予定で旅行中らしい。この家はかなり実用的で運転席の上に寝て、荷台の上でゆったりとくつろぐ生活の場がしっかりと出来上がっていた。下平君は寡黙な人で、まさに職人気質のようだ。

住所交換をして、夕食を一緒に食べることとなった。お互いに作った料理をshareして楽しい夕食となる。(秋刀魚・カツオ・ナスの炒め物)

しばし語り合い、駐車場で寝ようとするが係りの人に怒られ、別々に行動することになった。夜がふけてからのキャンプ場探しは疲れる。

■4月29日 走行距離 128km

今日の食事はRichでしょう

朝、日本一のつり橋を見ようか見まいか考え、結局辞めにした。その代わりに那智の滝を見ることに。地の食べ物(めはり寿司)があるので、新宮経由で行くことに。

那智の滝ではさすが日本一の落差だけあって、すごい気がするような、しないような・・・しかし、200円を払って滝壷付近までよってみると、さすがに見ていて心地よかった。

戻る途中で東京相模原の杉本さんに遭遇。部分的に日本一周をしているみたいだ。後ほどキャンプ場で合流することにして楽しい話はとっておくことに。

勝浦温泉はまゆ(290円)で漁師の人と話しながら、のんびりと南へ。太地の平見台ではバイクでしか入れないような道をトコトコと進む。蝶を集めている人。のんびりくつろぐ人。 ここの雰囲気はすばらしいものがあった。

潮岬キャンプ場に到着。日もまだ高いこともありのんびりと散策。それにしても今日の食事は盆と正月が一度にやってきたような感じだ。昼にはめはり寿司、晩は秋刀魚姿寿司&カツオのたたき丼。

温泉にも入ったことだし、精神的に満足している。杉本さんとまったりと話す。潮岬はものすごく広く芝生が生えていて心地よすぎる。明日も泊まろうかな・・・

■4月30日 走行距離 259km

今日もここに泊まろうかなと思いつつ出発準備していたのであっさりと出ることに・・・

古座川の一枚岩・天柱岩・大銀杏などのんびり見学。大銀杏は枝から根のような太いものがたくさん下に伸びていた。

すさみあたりの景色は抜群。イノブータンランドというわけのわからない道の駅あり。そのまま道を北上、白浜にて崎の湯にはいり、千畳敷・三段壁を見る。

三段壁は東尋坊のような断崖絶壁、千畳敷においては別になんとも感じなかった・・・普通の岩の広いものという感じだ。

日の岬では入場するのに200円取られそうになるが、入り口の係りの人と話しているうちに意気投合して無料で通してもらえた。四国を眺めることが出来たが、このたび始まって以来の別の陸地である。ひときわ感動した。

早々と無料のキャンプ場自然公園生石高原キャンプ場へと向かう。先へと進むがここからが大変であった。無料のキャンプ場へと行ったのはいいが、800m級の山々を何度も峠越えを繰り返し。めったに人も通らないので暗くなって身動き取れなくても無理やり突き進む。

迷いに迷って天文台に到着。
・・・ここは高原・・・天文台・・・着いてから気づいたがどう考えても寒い場所である。考えなくても体が震えてくる・・・

と、いう事で素直に山を降りて海南市へ向かう。向かう道も真っ暗でもう大変だ。日本名水100選の紀三井寺を探すも、あせりすぎて見つからない。

結局、毛見付近の漁業組合連合の軒下でシュラフ泊とする。寝ようとしていたら漁連の吹田さんが現れ、いろいろ話しているとシャワーやビールをいただいた。どうやら学部は違うが同じ大学の先輩らしい。さすが日本一学生数の多い大学だ。

■5月1日 走行距離 140km

朝早く漁連の会長さんといろいろ話し込む。海岸の掃除をするらしいので、一緒に掃除。

紀三井寺の水は菌が発生しているらしく、生では飲めないらしかった・・・本当に名水100選ですか?和歌山脱出をもくろむが、なぜか県庁前を2周ほどしてしまった・・・

さて、いよいよ大阪だ。海岸沿いの県道をひたすら北上。左手には真新しい関西空港。タイミングが合わなくて飛行機の離着陸は見ることが出来なかった。

なぜか大阪は素通り。兵庫県に突入。右手に六甲山見つつ尼崎・芦屋を経て、神戸東のレッドバロンにて点検&オイル交換今日は須磨の海岸にてシュラフ泊とする。

日も高いので、のんびり海辺のサーファーたちと会話して時間つぶす。かなり良い人たちが多くてジュースなどおごってもらう。

■5月2日 走行距離 115km

早速西へ。明石海峡大橋朝っぱらから眺めつつ、一路姫路城へ。姫路城を1時間30分ほどかけてゆっくりと見学。500円だったが、新鮮であった。

そして室津港付近の海鮮直売にて、ものすごく贅沢な穴子丼(700円)寿司盛り合わせ(1500円)を食す。何も言わなくてもうまいものはうまいのである。

丸山キャンプ場へ行ってみるが、無料キャンプ場&連休ということもあり大賑わいである。テントを張ろうにも隙間がない・・・結局あきらめて水補給。

赤穂市あたりで地図を見ていると何処からともなく滝北さん登場。麦藁帽子・サンダル・ステテコ・サングラス・網・・・怪しさ滲み出すぎ・・・警戒しながらいろいろ話していると、なんと一日泊めてくれるというので、警戒心もどこかへ吹っ飛びほいほいとついてく。晩御飯にはステーキもろもろご馳走になり風呂布団つきでゆっくり休めた。

滝北さんは本当に親切にしてくれた。息子さんが雨の日に原付でスリップして亡くしてしまったそうだ。
26歳・・・
私も26歳・・・
なんだか繋がりがあるのではと感じてしまう。滝北さんのためにも日本一周無事に達成させるぞ!!

■5月3日 走行距離 146km

ぐっすり眠ってしまい家を出たのが8時30分ごろである。

旧閑屋学校見学。学校の敷地としては申し分ないくらいの環境であり、つい当時の状況など想像してしまう。

岡山ブルーラインにて南下。原付は70円なり。田園の中を走る道は心地よいが、煽られっぱなしである。

途中で3大園地の後楽園に立ち寄る。1時間ほどウロウロしてみるが人が多すぎて風情が全く感じられなかった。しかし家の中に水を通し、川のほとりのようにしている建物もあり、昔の人の発想に惹かれる。

宇野へ向かう途中左確認せずウィンカーも出さずに曲がっていく車に巻き込まれそうになる。怒鳴りたかったがすっ飛んでどこかにいってしまった。ちっ・・・。もっと自分で気をつけなければ。

宇野からフェリーに乗り、高松にはいる。公渕森林キャンプ場にてテント泊。他にも人がいるが、静かすぎて薄気味悪いので早く寝る。

base campnext